ヘリウム供給逼迫の説明と回収率向上のお願い


平成24年10月11日
液体ヘリウム利用者の皆様


 いつも当センターの運営にご協力いただきありがとうございます。

 さて、御存知の通りヘリウム(ガス、液体ともに)は100%輸入に依存しております。マスメディアで はあまり取り上げられておりませんが、昨今その供給が大変逼迫しております。液化用の高圧ガス、液 体ヘリウムの双方に関して、業者に発注しても希望する量が確保できなかったり、納期が著しく遅れた りする事態が日常化してきました。この状態は本学も例外ではありません。
 逼迫状況の原因は、日本が主な輸入元としている米国等での供給量不足にあります。ヘリウム供給工 場の定期修理終了の遅延、計画されていた新供給サイトの稼働延期といったトラブルが重なっています。 当センターでもガス業界からの情報を集めていますが、供給逼迫が続くのは今年末までか、あるいは来 年夏頃までかなど、確実な見通しは得られておらず、事態改善の時期は非常に不透明であります。
 当センターとしては日頃からヘリウムの備蓄、液体ヘリウム安定供給に努めているところですが、上 記のヘリウム供給逼迫のため、逐次補充すべき原料ヘリウムガスの購入量が実質的に制限されています。 現状として既に、学内への液体ヘリウム安定供給に不安のかげりが生じてきております。

 学内の液体ヘリウム供給に関して、当センターで補充するヘリウムガスの調達が十分に行えなくなっ た場合、何らかの供給制限をせざるを得なくなる可能性があります。当然そのような状況下では、研究 室や部局単位で直接に業者から液体ヘリウムを購入することは更に困難になっているものと思われます。

 以上のような事情ですので、液体ヘリウム利用者の皆様方には、未回収分を費用負担するだけでは済 まない深刻な事態が進行している状況を研究室内の皆様へ御説明いただき、回収率の向上に一層の努力 をお願い致します。
 実験装置や回収配管の漏れ箇所を特定するのに役立つ、ハンディタイプのヘリウム検知器を当センター から貸し出すことも可能です。
 根本的な不安解消策が提示できず申し訳ございませんが、ヘリウムの供給が逼迫している現状の説明 と、回収率向上のお願いをさせていただきます。何卒、皆様のご協力をお願い致します。



本件についての問い合わせ先

  • 大塚 内線(吉田)4055、4062
  • メール helium at www.ltm.kyoto-u.ac.jp

低温物質科学研究センター

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