○講義タイトル:物理実験学2(物性)Experimental Physics 2
○講義番号:3218
○担当教官:松原明
○連絡先:理学研究科物理第一教室低温研究室(学生部号室)、内線3787、akira@scphys.kyoto-u.ac.jp
○対象回生:3回生
○講義時間:後期,金曜日,第2時限
○講義室:理学研究科6号館202号室
○講義の概要・目的:
主に物性的な実験を行うにあたっての基礎的な知識について述べる。
具体的には,実験環境(低温環境の生成,真空),交流測定と抵抗測定,磁気的な測定を中心に述べる。
種々の測定に関しての考え方や具体的な方法論,またそれらに関連する物理について述べる。
物性実験に限らず物理実験で用いられる共通の考えが多く含まれる。
○:到達目標
主に物性物理学で用いられる実験手法の基礎的な知識の取得を目指す。
○:授業計画と内容
<授業で扱うトピックス>
低温環境;真空技術;温度計測;低温環境下での測定;電気測定;磁気測定;
第1回 本講義のガイダンスと低温環境の概要
講義の進め方や評価方法,参考文献等についての説明と,低温環境で研究を行う意義を具体例を交えて述べる。
第2回 低温環境の生成:熱サイクルを利用した低温の生成(冷凍機,液化機),寒剤を用いた低温環境の生成,について述べる。
第3回 希釈冷凍機と核断熱消磁冷却法
第4回 低温環境の保持:熱の侵入について述べる。
第5回 真空技術(概要):低温の保持のために欠かせない真空技術の概要について述べる。
第6回 真空技術(生成):真空を作るポンプについて述べる。
第7回 真空技術(測定):真空度に関連して圧力の測定方法について述べる。
第8回 温度計測:低温環境下で用いる温度計について述べる。
第9回 電気測定:交流測定に用いるロックインアンプと交流ブリッジ回路を中心に述べる。
第10回 交流測定とノイズ:交流測定の例として共鳴現象を取り上げる。またノイズについて述べる。
第11回 磁気的な測定の概要:磁気的な測定に必要な物理量やハミルトニアンについて述べる。
第12回 磁場の生成:測定に必要な電磁石による磁場生成について述べる。
第13回 磁場・磁化の測定:空間に存在する磁場の測定や物体の磁化の測定方法について述べる。
第14回 磁気共鳴法:磁気共鳴法として NMR について述べる。
第15回 学習到達度の評価
フィードバック方法は別途連絡します。
○履修要件
特に要件は定めないが,電磁気学,量子力学,熱・統計力学などの総合的な知識が必要なので,それらを履修していることが望ましい。
○成績評価の方法・観点及び達成度
講義期間中に数回出すレポートによって評価する。
○教科書
使用しない
○参考書等
授業中に紹介する
○関連URL:http://www.ltm.kyoto-u.ac.jp/~akira/lectures/jikkenbutsuri/ (物理実験学2の情報を載せているサイト)
○授業外学習(予習・復習)等
この講義では実験技術に関する基礎的な知識の取得が目的であり,
講義のための予習は必要ないが,講義内容の復習は行うのが望ましい。
特に様々な物理分野の知識が必要となるため,
各自理解できていない分野については該当する分野も含めた復習が必要となる。
○その他(オフィスアワー等)
オフィスアワーは特に定めないが,講義時間外に話をしたい学生は,最初の講義で示す連絡先にメールあるいは電話をすること。
※オフィスアワー実施の有無は、KULASISで確認してください 。
〇連絡事項:
「物理実験学2」のURL
http://www.ltm.kyoto-u.ac.jp/~akira/lectures/jikkenbutsuri/
○関連ある講義:物性物理学1、物性物理学2、物性物理学3、物性物理学4、量子物性論
○習得しておくことが望ましい基礎知識,講義:電磁気学,量子力学,熱・統計力学
〇参考図書:参考文献のページ