ヘリウムガスの回収

ヘリウムガスは回収して再度液化されます。限られた資源を有効に利用するため、できるだけ多くのヘリウムガスを回収するように努力してくだ さい。利用者は、ヘリウムガス回収中継所責任者の指示に従い、円滑な回収に協力してください。

液化に利用できるのは空気等の混ざっていないきれいなヘリウムガスだけです。回収管にはきれいなヘリウムガスだけを流し、混入物がある恐れ があるガスは流さないでください。

回収ラインを配管する場合、またヘリウムを使用する際には以下のようなことに留意してください。

  • 各研究室のヘリウム回収系配管には、バルブ及び積算流量計を取り付けてください。流量計は、最大流量を考慮し、余裕のある大きさのものを御使用ください。
  • 回収配管入口に逆流防止弁又はオイルバブラーを付けて容器を接続してください。回収口が大気開放にならないように常に注意を払ってください。
  • ゴムホース等は必要最小限の長さとし、回収系配管からヘリウム容器近くまでを金属配管で繋ぐことを推奨します。
  • ヘリウムガスを正常に回収できなかった場合、又は、回収系に多量の不純物を混入させたときは、 LTMに必ず連絡してください。これによって 生じた損失は当該研究室に負担していただくことがあります。
  • ヘリウムガスの回収を行わない利用者には原則として供給をしませんが、万已むを得ず回収しない場合は、事前に申し出てください。
  • 回収率又は純度が著しく低下した場合、原因を調べるため供給を停止することがあります。

ヘリウム調査

LTMでは、毎月1回ヘリウム回収率の調査を各研究室にお願いしており、これをヘリウム調査と呼んでいます。回収できなかったヘリウムガスの量を 把握し、研究室毎の利用負担金額を決定するために必要な大切な調査です。必ずご協力ください。

各研究室の代表者は、研究室内で稼働しているすべての積算流量計を予め寒剤供給webアプリケーション minette を通じて登録しておいてください。 また、積算流量計の撤去や本体の交換等、状況に変化があったときは、速やかにminetteで当該メータの削除や新規登録を行なってください。メータ の状況変化に関する処理は手続を御参照の上、正しく行なってください。

回収率調査の報告は、minetteを通じて行なってください。月初の営業日に「ヘリウム調査のお願い」のメイルをお送りしますから、4営業日 の期間内に、minetteの「ヘリウム調査」のボタンを押してデータを入力してください。必要なデータは、各メータの指示値と、そのメータに 繋がれた実験装置及び液体ヘリウム容器の中にある液体ヘリウムの量です。

入力されると回収率の速報値が表示されます。瞭らかにおかしい場合はデータを見直してください。調査期間内は何度でも入力し直しができます。

思ったより回収率が悪い場合は、回収配管のリークなどを調査してください。LTMからリークディテクタをお貸しすることができますので、お申出くだ さい。またメータは経年劣化して回転量が減少することがあります。LTMでは常時ではありませんが新しいメータを貸し出していますので、それと 直列に繋いでチェックするという方法もありますので、御相談ください。

ガスメータに関する手続

ガスメータに関する手続には、以下のものがあります。

  • 新規に登録する
  • 削除する
  • 交換する
新規登録と削除は特段問題はないでしょう。注意していただきたいのは交換の手続で、現在使用しているガスメータの調子が悪いなどして、メータ 個体を交換する場合には、必ず交換の手続を行なっていただく必要があります。単純にメータ削除と新規登録をしないでください。

これは、研究室の保有液量の増分の計算を行なう場合に問題が生じるからです。Minetteではメータを削除した場合は、そのメータに繋がって いた機器の中にあった液体ヘリウムは全て回収されなければならないとしています。従って保有液量があれば、それは損失したものと解釈します。 一方、交換の場合は、次のメータに受け継がれたと解釈します。また新規登録の際に入力された保有液量は申し訳ないのですが考慮しません。 従って、数百 Lの液体ヘリウムが入った機器が繋がっているメータを交換した際に、削除と新規登録をすると、その数百 Lの液体ヘリウムは全て 損失したものと計算されてしまいます。またこの本来はないはずの損失は、当該月のヘリウム調査の期間の終了後にしか発覚しません。これはヘリウ ム調査の洩れを補完するための仕組を、ヘリウム調査中には動かしていないからです。どうぞ御注意ください。

余剰ヘリウムガスの回収

研究室でお持ちの純ヘリウムガスが入った高圧ガスボンベの借用期限が迫り、容器ごと納入業者に返却をする必要に迫られたとき、事前にご相談 いただければ、LTMでガスを無償引き取りして、本学の研究教育活動のため活用できるかも知れません。ボンベの学内輸送やガスの抜き取りなど に手間もかかりますので、必ずしもご要望にお応えできるとは限りませんが、 当方までお問い合わせ ください。なお、ガスの買取や当方の供給する寒剤その他のサービスとの等価交換などのご希望には制度上お応えすることができません。